気象予報士がみた世界の空

大自然がつくりだす美しさを満喫する旅

A.T | 対象月: 9月 | 更新 2015.3.16
気象予報士が体験!現地の情報
自然の作り出す景色にはあまりの美しさに驚かされることが多いですが、大自然の絶景としてグランドキャニオンは人気のスポットでしょう。周辺にはアンテロープキャニオンや、パワースポットとして脚光をあびるセドナもあり、少ない滞在時間では回りきれません。

私はラスベガスから車でセドナへ移動し、グランドキャニオン付近で宿泊。翌朝、グランドキャニオンの朝日を見て、アンテロープキャニオンに移動してラスベガスに戻るという1泊2日のコースでラスベガス周辺を巡りました。ツアーでしたが、移動はツアーガイドの方が運転する車での観光。片道約500kmと、非常に長距離であるにもかかわらず丁寧な対応をしていただき快適に過ごすことができました。

とにかく暑い、ラスベガス

気候はというと、木々が少なく岩や砂がほとんどという典型的な砂漠気候です。もともとラスベガスは砂漠の中でもオアシスだったところからスタートしていますので、私は9月に行きましたが、ほんとうに暑いです。ただ、乾燥していますので空気はカラッとしており日本の夏のような湿気はありません。日中は日差しがキツく暑いというのもありますが、ネオンがキレいに輝く夜に観光ツアーが組まれているのもラスベガスの特徴となりますでしょうか。

暑い土地でも冷え込む時間

ラスベガスを離れグランドキャニオンに行くと、そこは山と呼んでもよいくらいで、海抜にして約2,000mはありますから朝晩は寒く、ラスベガスではいらなかった羽織る物がこちらでは必要です。

グランドキャニオンをひとたび離れれば、日中の暑さを感じますが、なにしろ日差しが強いため、日焼け対策が必要でTシャツ1枚で過ごそうと思うと日焼けでまさに痛い目にあいます。帽子やサングラスも用意しておいたほうが良いかもしれません。

岩を削る雨水はどこから?鉄砲水の脅威

冷え込んだグランドキャニオンで朝日を見た後、アンテロープキャニオンに向かったのですが、そこは灼熱。こんな砂漠では雨もほとんどないだろうし、なぜ岩が削られたのだろうと不思議ですが、真上で降る雨ではなく離れた場所から降る雨によって、激しい勢いで雨水が流れ込むことがあるのだとか。現地で実際に水が流れている動画を見せてもらいましたがまさに鉄砲水で、過去には、現地で雨が降っていないにも関わらず、大量の水が流れ込んで観光客がまきこまれる事故があったのだとか。鉄砲水の恐ろしさをここで知ることとなるとは驚きでもありました。ここでも雨雲のチェックの必要性を感じることとなるとは。

初めて見るアンテロープキャニオンは思わず息をのむ美しさ。モンスーンの時期に降る雨水が偶然にもアンテロープキャニオンのある場所に流れ込み、水が岩を削り、また風によっても削られて何年もかけて出来上がった自然の造形美。グランドキャニオンは地殻変動とコロラド川の浸食によるもので、そのダイナミックさに驚くばかりですが、急な崖にもかかわらず柵がなく自己管理が求められるのもアメリカらしいといえばそうかもですが、非常に驚いた点です。

人間だもの…自然と都会のコントラスト

今回の旅行でこれだけ連発して雄大な自然を見てしまうと、人とはいかにちっぽけなもので、浸食で削られた時間を考えると、浸食過程のほんのわずかな時間を見ただけなのだなあと、改めて自然の偉大さを知ることとなりました。ラスベガスという、人が作り出した街と、自然が作り出した渓谷との真逆とも呼べる対比が興味深く、また訪ねてみたいものの、やはり必要なものは旅行費用。ラスベガスのカジノでハマればでしたが現実はそれほど甘くありません。夢と現実の対比を思い知らされるのも、このコースのある意味醍醐味かもしれません。
[記事監修:齊藤愛子(気象予報士)]
ラスベガスの天気

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