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気象予報士と行く社会科見学

春の大敵?花粉症の測定現場に迫る!

an | 対象月: 4月 | 更新 2015.4.28
スギ花粉
春が近づき暖かくなるにつれ、きまって街頭で見かける「花粉症」の文字。ピクニックやサイクリングなど、アウトドアを楽しむ人も増えてくるこの季節に多くの人々の大敵となる「花粉症」について調査してみました。

そもそも花粉症って何?

花粉症と聞いて思い浮かべるのは、「止まらないくしゃみ」や「涙が出るほど眼が痒くなる」といった症状ではないでしょうか?これは、空気中の花粉が鼻や目から体内に侵入すると、異物であると認知され、これらを体外に出すために「くしゃみ」で吹き飛ばしたり、「鼻水」や「涙」で洗い流そうとするために起こる症状です。

日本で「花粉症」というと、まず連想されるのは「春」。花粉症を引き起こす植物は日本だけでも約50種類あるとされていますが、やはり代表的なのはスギで、花粉症患者全体の約70%がスギ花粉による花粉症であると言われています。スギ花粉の飛散時期は2~4月とされており(地域によって異なります)、「花粉」といえば「春」、「春」といえば「花粉」と連想されるのはこのためでしょう。

花粉の数の測り方

毎年花粉の時期がやってくると、日々の花粉の飛散数が発表されます。発表される飛散数の情報は、「①シーズンを通して「多い」「少ない」などと発表されるもの」、「②毎日の飛散数の予測」の2種類に分けられます。

これらは一体どのように計測されているのでしょう?実際に計測している現場で聞いてきました。

シーズンを通しての飛散数

1シーズンの花粉の飛散数は、その年の夏の気象条件と、前年の飛散数をもとに計算されています。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏には花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数は多くなります。また、花粉の飛散数の多い都市と少ない年は交互に現れる傾向があるようです。

毎日の予報

日々発表される飛散数は、週間天気予報や測定した花粉の個数をもとに予測されています。気温が高く、天気がよく、乾燥して風が強い日は花粉が飛びやすいため、飛散数も多くなります。
毎日の予報を出す上で必要だという花粉の測定ですが、空気中に飛散していて、普段目に見えない花粉を一体どうやって測定しているのでしょうか。

花粉の測定方法について(ダーラム法)

花粉計測結果
花粉の測定方法は一般的に、顕微鏡を用いる「ダーラム法」と、花粉自動測定機によるものの2種類が挙げられます。今回は従来からの計測方法である「ダーラム法」についてご紹介します。手順は以下の通り。
スライドガラス
① ワセリンを塗ったスライドガラスを24時間、外に置く。(風通しの良い場所で、雨に濡れることのないように)
※この手順によって、飛散している花粉がスライドガラスに付着します。

② ①のスライドガラスに染色液をかけ、カバーガラスをかぶせる。
花粉計測
③ 顕微鏡を通して測定開始。カバーガラスの中に花粉がいくつあるか目視で数える。

④ ③で計測された花粉の数をカバーガラスの面積で割り、1平方センチメートルあたりの花粉数を出す。

手順④で測定された1平方センチメートルあたりの花粉数を1日の花粉数として発表しています。1平方センチメートルあたり30~49個の花粉が観測されると「花粉が多い」、50個以上だと「非常に多い」と発表されます。

花粉の特徴

スギ花粉
今回調査した現場では、スギ花粉とヒノキ花粉を計測していましたが、計測用のスライドガラスにはその他の花粉ももちろん付着しています。この中からスギ花粉・ヒノキ花粉のみをピックアップして計測しているということです。
スギ花粉・ヒノキ花粉を顕微鏡でみると、どちらも球体であるという特徴があり、更にスギ花粉は角のような突起が1つだけあります。これを目印に、花粉の計測は行われています。(写真は、顕微鏡で見たスギ花粉)

花粉の測定が意外とアナログな方式で行われていることに驚かれた方も多いのではないでしょうか?
今年のスギ花粉の飛散はそろそろ終わりに近づいていますが、今年の夏の気象条件が来春の花粉に影響を及ぼすとのこと。自分で飛散数を予想してみるのも楽しいかもしれませんね。
参考資料・URL
■的確な花粉症の治療のために(第2版)
 監修:大久保 公裕

■スギ花粉画像 新潟県ホームページより引用
http://www.pref.niigata.lg.jp/hokanken/1229457686585.html

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