気象予報士がみた世界の空

水にまつわるタイのお話

nbayashi | 対象月: 年間 | 更新 2015.2.18
気象予報士が体験!現地の情報

熱帯気候の名物、スコール

東南アジアに位置するタイ王国。南北に長く、南は北緯6度にもなり、熱帯雨林やマングローブ林が密集しています。
熱帯気候と聞いてまず思い浮かぶのが、「スコール」でしょう。スコールは、日中の太陽の熱によって地表付近が温められ、大気が不安定になることによって起きる突発的な雨のことです。日本の夏にも見られるような集中豪雨と構造的には似ています。
 このスコール、基本的には「短時間で止む」という特徴もあることから、現地の人は建物の中に避難して雨が止むのをやり過ごします。そのため、たいていの人は傘を持ち歩きません。旅行の際、雨宿りの間はショッピングを楽しむのも良いかもしれません。

タイの雨はスコールだけではない

 とはいえ、タイで降る雨はスコールだけとは限りません。タイの滞在中にふと空を見上げると太陽の周囲に虹色の光の輪が見えました。
 この太陽の周囲に光っているのは「暈[かさ](他、ハロー[halo]とも言われます)」と呼ばれ、氷晶を含んだ上層の薄い雲が太陽を覆い隠すようにかかったときにできる光現象です。雲に含まれる氷晶によって太陽の光が屈折することで発生しますが、太陽の光のみではなく月明かりでも見ることができます。
 暈を作り出す雲は低気圧の前面にできやすいことから、雨の前兆としても知られている現象ですが、低気圧性の雨はしとしととした振り方をするため、突発的に激しい降り方をするスコールとは違った雨になります。
虹が雨上がりの楽しみだとしたら、暈は雨の前の楽しみといったところでしょうか。日本でも比較的見やすい現象なので、たまに空を見上げてみてください(※ただし、直接太陽を見ないように気をつけましょう)。

隠れた水の都!?

前述で2つの顔を見せるタイの降雨についてふれましたが、タイでの生活は水に密接しています。
バンコクでは人々の生活を支えてきた水上マーケットもいまや観光の名物になったり、海岸部ではマングローブを切り開いてつくったエビの養殖場がたくさんあります。また、2004年には、スマトラ沖地震による津波がプーケットを中心としたタイ南部を襲い、2011年には首都バンコクを中心にタイの中部が洪水に見舞われました。
このようにタイでは水との生活が切っても切り離せません。(ただし、いくら水の都といっても水道水を飲むのはお勧めしません)
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まだまだある水に関わるタイ

 バンコクではソンクラーンと呼ばれる水掛け祭りがおこなわれる。これはは新年に仏像や家族の年長者の手に水をかけてお清めをする伝統が転じたもので、現在では4月13日~15日の3日間、通行人同士が水を掛け合って楽しむお祭りとなった。期間中はまさに無礼講でだれかれ構わず水をかけてくるので、貴重品やぬれて困るものはホテルにおいておくかビニール袋に入れるなどの対策をしないと、手加減抜きで全身ずぶぬれになるそうです。

ドリアンを食べるときは要注意

 果物の王様として知られるドリアン。一度は食べてみたいと思う人も多いはず。タイの街中では屋台でカットした状態で売られているので、簡単に食べることができるが、食べるときには注意が必要である。
まずそのにおいだが、たまねぎの腐乱臭や都市ガスのよな匂いで、あまりの強烈な匂いからか、わたしが泊まったホテルには、「ドリアンを食べたら入室しないでください」といった張り紙がしてました。。実際食べると、匂いはそれほど気にならなず、、食感はバターのようにとろける感じでした。
また、アルコールとの食べ合わせが悪く、一緒に食べるとドリアンの酵素とエタノールが反応して気分を悪くすることがあるとかないとか。
[記事監修:齊藤愛子(気象予報士)]
参考資料・URL
タイ国政府環境局(http://www.thailandtravel.or.jp/)
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