気象予報士がみた世界の空
一日で夏と冬?アタカマ砂漠の大自然
M.K | 対象月: 6月 | 更新 2015.6.18
フンボルト海流が作ったアタカマ砂漠
砂漠というとアフリカや中東のイメージが強いですが、南半球にも砂漠はあります。オーストラリア大陸は大半が砂漠気候に属しているほか、アフリカのナミブ砂漠、チリのアタカマ砂漠も南半球の砂漠です。今回はアタカマ砂漠の空について書きます。
アタカマ砂漠の沖にはフンボルト海流という寒流が流れているため、ずっと大気が「安定」してしまい雨は滅多に降りません。(大気は下層が冷たいと安定するのです。お風呂も上が熱く、下が冷たくなりますよね)。このような砂漠は、「寒流砂漠」と呼ばれ、他にナミブ砂漠、アメリカのカリフォルニア砂漠があります。チュキカマタ銅山(写真)で有名なカラマは世界で最も雨の降らない場所のひとつ。寒流砂漠とは異なる「亜熱帯砂漠」が作られる仕組みなどについてはドバイの記事を参照してください。(http://more.tenki.jp/worldcolumn/article/60/)
この写真はアタカマ砂漠にある「月の谷」。砂漠だから雨が降らないのではなく、雨が降らないから砂漠になったんですね。空気が乾燥していると、岩石の風化が進み、砂漠を構成する砂がどんどん作られます。
冬日と夏日が同じ日??
沖縄よりも赤道に近い場所にありますが、一年中晴れているため夜は放射冷却が強まり、グンと冷え込みます。朝は氷点下の冬日、日中は夏日(25℃以上)なんてことも。脱ぎ着できる服装がいいですね。アンデス山脈を照らす夕日も綺麗でしたが、日が沈むと一気に寒くなりますよ。
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世界一の星空
雲もなく、世界で一番星空が綺麗と言われるアタカマ砂漠。日本の国立天文台の望遠鏡も置かれています。夜はしっかり寒さ対策をして、流れ星を探しに行ってみては。
※海沿いのアントファガスタは最寄りの予報地点です。アタカマ砂漠の観光の拠点となるカラマやサンペトロ・デ・アタカマは内陸かつ標高の高い場所にあるので予報の数字よりも、朝は寒くなるとお考えください。