気象予報士がみた世界の空

雨季乾季 猛暑に竜巻 寒波あり~バングラデシュ

Kappa | 対象月: 年間 | 更新 2015.1.16

サイクロンシーズンが年に2回

熱帯モンスーン気候のバングラデシュは、季節風(モンスーン)の影響を受け、雨季と乾季に分かれます。 ベンガル湾から湿った南西モンスーンが吹く6月から9月が雨季で、この4ヶ月に年間雨量の7割が集中します。 一方、大陸から乾いた北東モンスーンが吹く12月から2月が乾季で、気温も下がります。この雨季と乾季にはさまれるのがサイクロンシーズン。 4月から5月(プレモンスーン季)と10月から11月(ポストモンスーン季)にピークがあり、雨季が終わっても気を緩めることができません。

ノーウェスタ

雨季前の3月から5月は、雷雨のシーズンでもあります。 インド亜大陸の気温が急激に上昇するこの時期に、上空に寒気が流れこむと大気の状態が不安定になり、線状に並んだ雷雲がインドからバングラデシュに侵入します。 北西からやって来ることから地元では"ノーウェスタ"と呼ばれ、ひょうや竜巻など激しい気象現象がもたらされます。 左の写真は、現地で遭遇したノーウェスタ。激しい風で地面のゴミが巻き上がり、空が茶褐色に。その後ひょうが音を立てて降りました。

暑くても長袖は必須

年間で、一番暑いのは4月。40度を超えることも珍しくありません。 熱帯の国では往々にして、雨季直前が一年で最も高温になります。 しかし半袖はお勧めできません。 外は灼熱でも、部屋の中は冷房が強く効いているからです。 部屋を冷やすことがオモテナシなので、設定温度が18度で天井ファンがフル回転というのが普通。 冷房に弱い人は上着があると良いでしょう。一方、年間で一番寒いのは1月。ホテルも暖房設備がめったにないので、就寝時に毛布が必要なこともあります。

日本の気象レーダー5台が活躍

国土の小さいバングラデシュでは、自国内で降る雨よりも、周辺国から流れ込む水によって毎年洪水が引き起こされます。さらに南海上からのサイクロン、インド方面からのノーウェスタ監視のため、日本国政府の援助で入った5台の気象レーダーが活躍しています。
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「蚊」、雨季と乾季どちらに多い?

熱帯地方で気をつけなければならないのが、「蚊」。 日本でもデング熱が話題になりましたが、暑くても長袖・長ズボンで肌を露出させないことが大事。 蚊は乾季に多く、12月から増え始め1月~3月が最大に。 雨季は羽化する前に大雨に流されてしまうので、意外と少ないのです。 冬は日本で蚊対策グッズを買うのが難しいので、前もって用意しておくとよいでしょう。
[記事監修:齊藤愛子(気象予報士)]
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