気象予報士がみた世界の空

四季がある?ベトナムのハノイから世界遺産ハロン湾へ

ryomu | 対象月: 7月 | 更新 2015.4.24
ハノイの河

四季がある首都ハノイ

ハノイの街並み
 南北に細長いベトナムは北部と南部で気候が異なり、ベトナム北部に位置する首都ハノイは四季らしいものがあります。5〜10月の6ヵ月間が四季の中で夏にあたり、高温多湿で非常に蒸し暑い。さらに、一年間の降水量のほとんどがこの時期で、日本のように一日中雨が降り続くのではなく、激しいスコールが短時間に降ります。折りたたみ傘などの簡易な雨具では対応できないので、カッパを持って行くとよいでしょう。一方で春、秋、冬はとても短く、特に冬は涼しく乾燥して過ごしやすい気候です。1月2月の最低気温は15℃を切り、少し肌寒く感じるかもしれません。夏場以外にハノイに行かれる方は薄手の長袖の上着を持っていくことをお勧めします。

ハロン湾への道中

ハノイの田園風景
 ハノイからハロン湾へは車で片道4時間ほど。車に揺られ20~30分すると、青々と稲穂が茂った田園風景が見渡すかぎり広がっていました。まさに田舎に帰ったような気分になります。稲作が盛んなベトナムの中でも、特にハノイからハロン湾にかけてのデルタ地域はベトナム北部の最も肥沃な土壌からなっており、この地域だけでベトナムの米生産の20%を占めています。北部ベトナムの稲作は、7月移植→11月収穫の雨季作と12~3月移植→4~6月収穫の乾季作の二期作です。雨季作には夏の南西モンスーンのもたらす降雨による洪水という問題が、乾季作にも低温と干ばつという問題があり、ベトナムの農家も気象現象に悩まされているようです。

世界遺産ハロン湾

ハロン湾
 1994年、世界自然遺産に登録されたベトナム一の景勝地、ハロン湾。”海の桂林”とも呼ばれ、海からそびえ立つ大小様々な奇岩が幻想的でまさに水墨画のような世界。ハノイに行くならば絶対に行くべき場所の一つです。私は湾上に浮かぶ漁村訪問や鍾乳洞見学をしてハロン湾を楽しみました。また、お昼時には魚やカニ、巨大シャコ、貝などの新鮮な魚介類を積んだ船が近づいてきます。その船に乗り移り、食べたい食材を選んで買うとすぐにさばいてくれます。試しに見たことがない青いカニを選んでみたら、それがまた美味でした!日本では食べられないような新鮮な魚介類を食べられることもハロン湾の魅力の一つかなと思います。 ※ベトナムの9~10月は台風が多い季節です。クルーズ船が当日になって突然欠航になることもあるのでご注意ください。
+more 現地の情報

商業都市ホーチミン

気温差のグラフ
 ベトナムの二大都市ハノイとホーチミン。
ホーチミンの記事
政治と文化の中心は首都ハノイですが、商業の中心はベトナム南部に位置するホーチミン。この二つの都市は直線距離にして約1,200km離れているため(日本では青森と福岡の直線距離と同じくらいです)気候が全然違います。ホーチミンは熱帯性気候なので一年中夏の気候。そのため服装は一年を通して夏服で問題ありません。その中でも乾季と雨季に分けられ、11月から4月までが乾季、5月から10月までが雨季です。雨季に行く場合は雨具が必須になりますのでお忘れなきようお持ちください。
[記事監修:齊藤愛子(気象予報士)]
参考資料・URL
WMO(世界気象機関):World Weather Information Serviceよりグラフ作成
http://worldweather.wmo.int/en/home.html

農林水産省 世界食料プロジェクト研究資料 第3号
平成22年度世界の食料需給の中長期的な見通しに関する研究 研究報告書(2012.3)
ハノイの天気

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